おもと会グループとの出会い
- 田中院長
- 私とおもと会との出会いは20年前、おもととよみの杜が開院した年でした。当時、別の施設で働いていましたが、とよみの杜の開院式に参加した際に、まるで公園の中にいるような錯覚を起こすほど素敵な環境と同じ敷地内に病院、老健、特養、在宅と医療・保健・福祉が1つとなった複合施設に感銘を受け、この施設で働いてみたいと思い飛び込みました。
- 金城院長
- 私は平成6年の4月に入職し、早24年という年月が経ちました。大学病院や他病院での経験を積んでいく中、公私で良くしていただいていた教授からの勧めもあり、縁あって入職させていただきました。当時は、外科を中心に診療・手術を行っていましたが、大浜第一病院の医局長、副院長を経て徐々に内科にも興味を持ちはじめました。現在は自称“総合診療家”と名乗りクリニック安里にて院長をさせて頂いております。
- 知念名誉院長
- 私は人生の中で二回、大浜第一病院に在籍しており、1回目は昭和63年に 琉大病院から来る機会があり、本来は何年か経験を積んだあとに医局長として琉大に戻る予定でしたが、当時の廣田耕三院長からの指名もあり、一緒にやっていくこととなりました。その後、あめくの杜が開設する際に、「院長をやってもらえないか。」と依頼をいただいたので、引受けさせてもらい現在に至ります。
- 大城院長
- 私は、今から8年前、あめくの杜が開設される年に入職しました。元々救急病院で勤めていましたが、知念名誉院長と事務長から「新築移転に伴い、急性期・循環器を立ち上げたい。」とお声掛けがあり赴任しました。それまでも17年間病院に勤めてはいましたが、キャリアアップを考えていた矢先にお声がけがありましたので、新しいことにチャレンジしたいという自身の想いも尊重し快く承諾しました。
おもと会グループの魅力とは
- 知念名誉院長
- ドクターも年齢によってワークライフバランスが変わってきています。その中で様々な施設があるおもと会グループでは、自分にあった環境設定ができるのが大きな魅力だと感じます。
- 田中院長
- その考えは同感です。20代~40代の若くて体力ある時には救急で働き、少しワークライフバランスを考える50代で療養・慢性期の施設に移り、60代以降で老健などの施設で働く選択ができることは素晴らしいことだと思います。
- 金城院長
- 正直なところ、最近の医療は医者の趣味に走っているイメージを持ってしまう。何が言いたいかというと、例え医者が増えてもどんどん専門的なところに偏ってしまい、自分の専門外のことは見なくなってしまっていると感じています。
今後、高齢社会が加速している世の中に必要な医者は、総合的に見ることのできる医者ではないでしょうか。もちろんスペシャリティも大切ですが、私が期待するのは、若い人材でかつ老人医療、総合内科を網羅された方が来ていただくのが一番望ましいですね。
- 田中院長
- 現在の研修医制度は、以前に比べても総合診療に近い研修を中心に、2年間実施していることから、すぐに即戦力になれるのではないかと考えます。
- 金城院長
- 私も研修医担当をしていたのでそれは感じます。しかし、逆を言うとその2年間で自分の得意不得意を見つけ、『苦手なものはやらない。』と決めつけてしまっているのではないかとも感じます。
- 田中院長
- そういう点でも、研修中でも施設内で自由に診療科を移動できるシステムをグループ内で構築してもいいかもしれませんね。規則で縛る方法は、今後のやり方ではないですね。
研修医時代を振り返ると
- 知念名誉院長
- 我々の時代は、常に怒られていたことから大変厳しかった記憶があります。それに比べると、最近の研修医はしっかり教え込まれていますし、環境としても恵まれているのではないかと思います。
- 大城院長
- 我々は現在4人の研修医を受け入れています。県内には様々な受入施設がありますが、4人というのは枠的には少ない方だと思います。しかし、少ないことは逆に魅力的で、マンツーマンで指導もできますし、対象を通して手技をたくさん行うこともできます。
また、必ずしも研修医全員が忙しい急性期病院で働きたいと思っているわけではないと思いますので、そこは若い研修医一人一人に合わすことも大事かと思います。
- 田中院長
- 私の意見としては、研修医の内にみっちり鍛えてほしいという考えがあります。自身の経験を通しても、甘い研修よりは寝食忘れるほどの研修をさせたいです。卒業した当初はどの研修医も燃えていますし、将来を考えても甘い研修よりは研修医一人一人の性格や考え方を見極め、選択肢を与える研修システムが大事だと考えます。
- 知念名誉院長
- そういう事を踏まえても、我々が実施している少ない数の研修医システムは一人一人を見極めることができるので良いのではないかと考えます。
- 田中院長
- 個人的には少なくとも10人は受け入れてほしいですけどね。(笑)
”地域包括ケアシステム”の潮流とおもと会グループの役割
- 田中院長
- 大浜方栄前理事長時代からおもと会グループは教育、医療、保健、福祉、全てを網羅した沖縄でも有数の施設であり、昨今言われている“地域包括ケアシステム”というのは、おもと会グループではずっと実施しています。それをグループ内だけで留めるのではなく、いかに周りの地域と連携し、活かしていくかが今後の役割だと考えます。
- 知念名誉院長
- 連携という観点からは人材の交流・異動もそれにあたります。一か所の施設だけにいるのではく、施設間での交流をしっかりとさせるべきです。
- 田中院長
- 私の働く第二病院では、例え二週間程度の見学でさえ、実際に患者様を診てもらっています。そういう面でも気分転換を兼ねた地域医療の場に触れる機会を設ける交流を増やしていきたいです。
おもと会グループの施設間交流
- 田中院長
- 現在、大浜第一病院と大浜第二病院間では回診のみです。数年前までは眼科、脳外科もありましたが、現在は整形外科のみとなっております。今後、少しずつでもいいので交流を図っていくよう努める必要があると考えます。
- 金城院長
- 我々クリニックでは、診療だけでなく訪問診療も行っていることから、先ほども申し上げた通り、専門性を持つことは良いことでもありますが、患者様が求めていることは総合的に診てもらった判断です。
一つの提案ではありますが、月に一回大浜第一病院からドクター全員を訪問診療してもらうこともありなのではないですか。(笑)
- 知念名誉院長
- もちろん急性期病院だけでその患者様の全てを終わらすことはできません。そのことを看護師や研修医、そしてドクターが意識すること、させることでも少なからず他施設への興味を持たすことが可能です。
- 大城院長
- 人材交流、人材派遣という意味では第一病院が中心となっています。現在、研修システムにおいて地域医療等も含まれていますので、クリニック安里等に一カ月程度研修で伺わせるなどしてはいますが、医師自体のマンパワーが足りずに継続的にという風には行っていないのが現状です。よって、医師改革も行いながら、グループ内でも急性期に慢性期、そして訪問など、様々な施設へ医師を回していくことも必要かと考えます。
- 田中院長
- 確かにそれは大切な事で、自分が関わった患者様が病院から在宅や老健等に移動した後、実際にどのような生活をしているかを把握することは大切な事かと感じます。
- 金城院長
- 私たちクリニック安里でも、患者様を第一病院に送ることもありますが、その後もしっかり訪問して、その後の様子を見に伺っています。
正直、カルテ一つにしても、しっかり書かれているドクターもいれば、少し大雑把なドクターも中にはいる。そこは、共通の電子カルテを利用しているからこそ、今後はある程度の基準を設けないといけないですね。
- 大城院長
- 確かに、共有のカルテを活用していることは私達グループの魅力でもありメリットでもあります。特に、自分達が紹介した患者様が現在どうなっているのかを把握することができるのは大変良い事ですね。
- 金城院長
- 私が管理している地域包括ケアセンターかみはらにおいては、数年前から看取りに関しても積極的に推進しています。
患者様によっては、危険な状態の方もいらっしゃいますが、私達はあくまでもご家族に選択肢を与え、彼らの気持ちを一番に尊重した上で病院に搬送するのか、または施設や在宅で対応するかを判断してもらいます。
- 田中院長
- おもと会グループ間での患者様の搬送はスムーズに行われていることは確かですし、グループ内に限らず、私達は他病院、他施設からの受け入れ依頼にも柔軟に対応していますし、そういった意味では地域密着を展開していると言えます。
- 大城院長
- そうですね。特にグループ内では各施設院長とも定期的に集まり、会食を挟みながら情報共有もしていますし、そういう面では大きいグループではありますが、顔の見える範囲で連携は図れていると私は考えます。
求めるドクター像
- 大城院長
- やはり医療というのはチーム医療であるため、患者様を中心に考えしっかりコミュニケーションが図れる方、また『自分が1番』という考えではなく、係る人とのチームワークを乱さない方が望ましいですね。
- 知念名誉院長
- 第一病院の立場からすると、専門家ではなく、医療全般、総合内科を見ることのできる人材を求めています。
- 金城院長
- クリニックという立場でも確かに専門性を持った医師よりは、幅広く対応ができるドクターを重宝します。もちろん自分の専門性を持つことは大事ですが、訪問診療となった場合には、やはりある程度総合的な医療が求められます。
- 大城院長
- 第一病院は急性期病院であるため、やはり専門性を持った医師が多いのが現状です。しかし、彼らも救急などに対応しながら内科の知識をつけていますし、私達もしっかり教育する取り組みも行っていますので、とりあえずやる気のある元気なドクターを求めています。
メッセージ
- 田中院長
- 改めてになりますが、私たちおもと会グループの魅力は急性期でも鍛えられ、その後、他施設への挑戦も可能です。
女医に関しては出産や子育て等ありますので、そういう時には健診センターやクリニックでの勤務という選択肢もしっかり準備されています。個人的には、これからは女医の時代になっていくと考えておりますし、その為にもグループとして働きやすい環境、多様性を活かした環境を提供するよう努めていきます。
- 金城院長
- フルタイムやパートなど、働き方は人それぞれ考えがあるかと思いますが、クリニック安里では、『仕事をしたい。』という事を第一に尊重し、円滑に対応するシステムを構築していきます。
医療というのは最終的に誰かがやらなければならない事です。義務感が強い方は大変喜ばれますし、何よりそれだけのやりがいを感じることのできる場所です。
- 知念名誉院長
- 第一病院の立場として、これからは地域医療構想もありますし、あれもこれもと専門職を増やす時代でもなく、現状を維持しながらも風通しのいい職場環境を作ることが大切と考えます。また、おもと会グループだからこそ定期的な人事交流を積極的に実施し、お互いの現場を知ってもらう時期に入ってきたかと思います。
- 大城院長
- おもと会の企業理念が、“医療、保健、福祉の統合一体化”であり、地域に貢献することが大前提としてあります。そういう意味では、医療法人、社会福祉法人、学校法人と全てを持っているグループは県内でもおもと会のみです。おもと会グループでの就職はある意味、色々な施設で、色々な働き方ができるという最大のメリットでもありますので、是非お越しいただけると幸いです。
-
名誉院長
知念 弘
昭和58年 琉球大学整形外科医局入局
平成 6年 おもと会 大浜第一病院 整形外科部長
平成 9年 同副院長
平成18年 同院長
平成28年 同名誉院長 -
大浜第一病院長
大城 康一
昭和60年 琉球大学医学部付属病院(第2内科入局)
昭和61年 浦添総合病院勤務
昭和62年 琉球大学医学部付属病院第2内科医員
平成 2年 同助手
平成 4年 浦添総合病院勤務
平成10年 同循環器内科部長
平成14年 同循環器センター長
平成21年 大浜第一病院勤務 副院長・心臓血管センター長
平成28年 同院長 -
大浜第二病院長
田中 康範
昭和53年 県立中部病院
昭和59年 名護病院
昭和60年 小禄病院
平成10年 大浜第二病院 病院長 -
クリニック安里院長
金城 治
昭和59年 沖縄赤十字病院外科
昭和60年 県立那覇病院外科
昭和61年 琉球大学医学部付属病院第2外科助手
昭和62年 与勝病院外科
昭和63年 琉球大学医学部付属病院第2外科助手
平成 3年 与那原中央病院外科医長
平成 6年 大浜第一病院
平成12年 同医局長
平成15年 同副院長
平成21年 クリニック安里院長