脳神経外科
一刻を争う脳血管疾患、機能温存までを視野にいれて
脳梗塞・脳出血・くも膜下出血など脳卒中の急性期診療、頭部外傷に対する対応、さらに脳卒中回復期リハビリテーションにも取り組んでいます。発症早期の脳梗塞に対する血栓溶解療法(t-PA静注療法)も行っており、神経機能の温存に力を入れています。患者様個々の症状や社会的背景まで考慮し、最良の脳神経外科治療、神経リハビリテーションの提供を心掛けています。
INTERVIEW
インタビュー脳神経外科部長
百次 仁
JIN MOMOJI日本脳神経外科学会専門医
日本脳神経血管内治療学専門医・指導医
脳梗塞t-PA適正使用講習会受講
- 脳神経外科の特徴
- 脳卒中に関して原則、脳梗塞、(手術適応の無い小さな)脳内出血は神経内科が担当し、頭部外傷、くも膜下出血は脳外科が担当しています。脳梗塞に関しても、短時間で来院した患者は神経内科と協同してt-PA治療も行い、その中で血管内治療を必要とする患者様は当科にて担当しています。観血的治療としては外傷、脳内出血、くも膜下出血、慢性硬膜下血腫などをメインに対応していますが、くも膜下出血(動脈瘤)に関しては極力血管内手術で対応しています。
しかし、脳腫瘍、機能外科、小児先天奇形などには現在対応していません。
- メッセージ
- 2017 年の手術総数は51件、そのうち血管内手術が36件と殆どを占めています。2016年4月に当院赴任後に準備開始し、7月から開始した血管内手術ですが、初年14件から昨年は大幅に増加し、一ヶ月に3〜4件のペースで行っています。
現在は、予定手術が殆どですが、救急症例の増加傾向が続いており、血管内治療も緊急手術の増加が見込まれています。
しかし、現状として脳外科医が一人体制なことからマンパワーの問題もあり積極的に救急治療を担えていませんが、脳外科医の増員があれば手術件数は確実に増加すると思われます。
INFORMATION
脳神経外科について脳神経外科と言えば、くも膜下出血、脳内出血等、緊急で開頭して手術をするというイメージがあると思います。
しかし、近年では、頭を触らずにカテーテルを血管に挿入して治療する脳血管内手術が発達してきました。大浜第一病院脳神経外科では、このような脳血管治療を専門としております。
-
対象疾患
・脳動脈瘤
・頸動脈狭窄
・脳動静脈奇形
・硬膜動静脈瘻
・一部の腫瘍・血管腫
・外傷による大量の鼻出血など種々の血管性疾患 -
主な手術治療
・脳動脈瘤コイル塞栓術
・頸動脈ステント留置術
・急性期血行再建術
(血栓溶解、血栓回収、血管拡張)
・脳腫瘍術前塞栓術など
SCHEDULE
週間スケジュール月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | |
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7:30 | 各種会議 | 各種会議 | 各種会議 | |||
8:00 | 回診 | 回診 | 回診 | 回診 | 回診 | |
8:30 | 回診 | 回診 | 回診 | 回診 | 回診 | |
午前 | 外来 | 血管撮影 | 手術 | 外来 | 病棟・血管撮影予備日 | |
午後 | 病棟 | 外来 | 手術 | 病棟 | リハビリカンファレンス | |
夕方 | 検査結果説明、術前準備 | 血管内症例検討会 | ||||
当直帯 | 外科当直 |
- ・毎朝7:30より院内および院外からのメールチェック、当日の予定チェック。火曜、水曜、木曜は各種会議が月に1〜2回ある。
- ・8:00には病棟回診、指示確認、カルテ記載などが9:00までの業務。
- ・月曜、木曜の午前は予約及び新患外来。紹介患者は出来るだけその日で検査、診断をつけ方針決定し報告する。
- ・火曜の午後は予約のみの外来だがコンサルトも受ける.16時より血管撮影結果の説明、翌日の手術準備等。
- ・金曜日は血管撮影の予備日、午後にはリハビリカンファレンスをリハスタッフ、神経内科、ケースワーカーらと主に新患を中心に行う。
- ・2ヶ月に1回は県内の血管内治療医が当院に集まって血管内治療の困難症例などの討論を行う。
- ・当院は血管内治療専門医の研修指定病院の認定を受けており1年間勤務すれば実技試験を省略できる。
- ・病棟は空き時間にみる。時間内に救急室からのコール、コンサルトはいつでも受ける。
- ・原則水曜日外科当直。頭部外傷、くも膜下出血はいつでもオンコール。脳梗塞、t-PAは神経内科と2科でオンコール。